盛り上がらなかった。ショボかった。全然テンションが上がらなかった。後々の振り返りのため、記憶の限り思い出すままに所感をメモしておきたいと思う。記憶は曖昧なので、演出の順番とか内容は間違っているかもしれないが、調べて裏付けを取ることなく、とにかく記憶ベースでメモしておく。
オープニングの花火
よかった。スパパパパンといった感じで高速でキレがあって、見てるだけでテンションが上がった。おお、オリンピック始まったな、と期待が持てた。
オープニング映像
よかった。東京開催が決まった2013年から今日に至るまでのアスリートの変遷を描いた映像。途中で一気に2020年になったが、おそらくコロナの暗転、からの打破、というストーリーを入れるために尺を短くしたのだろう。だったら聖子とバッハのスピーチ短くしろよと思ったが、まあ良い。背番号21がアップになり、おー、2021かーと思ったらその後タイマーとかメモリとか、協議に関するいろんな数字がカットインしてカウントダウンしていく仕組みになっていた。が、10ぐらいからただの数字のカウントダウンになっていた。手抜きか?最後までやってくれよ。
謎のランニングマシーン
謎のランニングマシーンタイムが始まった。音楽はコーネリアス感満載の不思議系。全然盛り上がらない。前のパートで壁を打破してやっと辿り着いた本番!と思ったらこれか。もっとブチ上げてくれよ。赤い糸はアスリートの筋繊維を表現しています、とかハイコンテクスト過ぎてついていけない。オープンニングの熱を一瞬で下げられ、以降も入り込めない素地をこのパートで完全に方向づけた。
森山未來の粉ダンス
あ、これ系か、と思った。これは変なダンスするやつだな、と一瞬でわかった。紅白で平井堅の後ろで踊ってた系のやつ。で、顔のアップで森山未來だと分かった。ミュンヘンオリンピック事件の追悼という文脈で、黒焦げになった頭陀袋のような森山が横たわっていて、なんか焼死体のような連想を抱かせて物凄い嫌悪感があった。
真矢みきの訳知り顔(何も知らない)
大工の集団を従えて棟梁真矢みきが登場。何やら訳知り顔で、子分の働きを見てフンフン言っている。いったい真矢みきは何をするのだろうかと思案する。元宝塚とは言え、今の真矢みきに歌って踊るイメージは無い。子分が図面を広げて真矢みきにお伺いを立てる。真矢みきは訳知り顔でウンウン頷く。絶対に何もわかってないやつ。これは小池百合子のメタファーか?その後、大工がトンカンやってタップダンスするという完全に座頭市の流れを再現し、結局真矢みきは何もしないままフェードアウトしていった。なんだったんだ、真矢みき。
選手入場
いきなりドラクエのテーマで「おお!」っとなる。ここは数少ないテンションアゲポイントの一つ。日本語表記の国名のアイウエオ順で入場という日本らしさを出してきた。国名のプラカードは漫画の吹き出しをイメージして作られている。全編このポップカルチャー推しでいいのに、変に文化度の高い「表現」でスベリ散らかすよりも、あー、日本だねーって感じのこれがいい。
日本語の国名表記のあいうえお順で入場というシステムで、ギリシャの次の語順トップはアイスランド。日本人以外の外国人にしてみれば「え?次うち?なんで?」って感じで完全にランダムのように感じただろう。民族衣装の国やスーツの国、なんの変哲もないジャージの国などいろんな国があったが、見ていて楽しいのは民族衣装。キューバとかそっち系のサラリとしたシャツにストローハットみたいなのはかっこいいね。腰蓑一丁みたいな格好の国もあったが、オイルの塗りすぎでテッカテカだった。
今回のオリンピックは206?の国と地域が参加しているらしく、途中は完全に中弛みした。たまにポルトガルみたいな元気一杯の国が出ると、こちらのテンションも上がって助かった。最後はフランス、米国、日本でフィニッシュ。次回、その次、開催国という順番らしい。あー、長かった。ドラクエ、FF、クロノトリガー、モンハンなどの音楽が繰り返しリピートされていて、どれもオーケストラチックな音楽だったが、8ビットサウンドみたいなノリもあってもよかったんじゃないかね。
なだぎの謎コント
完全にいらん。テレビクルーに扮したなだぎ武ら雑魚集団がよくわからん文脈で大袈裟な身振りで動き回る。何がしたいんだ?なんで出てきたの?全てが謎。後々伏線が回収されるのかと思ったが、何もわからなかった。Eテレのノリ、小劇団のノリ。とにかく寒い。恥ずかしいからやめてほしいとお祈りしてた。
子供のブロック遊び
あ、うん。市松模様だね。年齢も人種も様々、まさに多様性を表しています、というNHKアナの説明もしっくりこない。これが多様性?
ドローン小隊
綺麗だったけど、これだけ?市松模様が地球になって、それだけ?って思った。なんか寂しい。
聖子とバッハ、唐突の天皇陛下
聖子とバッハのスピーチ。めっちゃ長い。森元総理がご健在だったら、このスピーチは森さんがやってたのだろうか。なんかサービス精神出してうっかりやっちまいそうな気がするし、バッハと森さんのツートップスピーチはなかなかしんどいものがありそうなので、その点聖子でよかったかもしれない。で、聖子のあとはバッハのスピーチ。ちょいちょい日本語を挟みながら散々しゃべり、最後は天皇にパス。で、天皇が速攻で開会宣言で花火ドン!菅は宣言の途中で起立。ぼけーっとしてたね。小池百合子に一言も喋らせなかったのはナイスだと思った。
劇団ひとりと荒川静香の映像
映像はよかった。競技場が、東京の街が、次々にライトアップされていく様子は、海外向けに非常に引きがあったと思う。劇団ひとりの小芝居が小物感出ていて国際大会の格としては合っていなかったけど、映像のクオリティは高かったと思うし、見ていてテンションが上がった。
海老蔵歌舞伎と上原ひろみのセッション
しばらくしばらくー、がハイライトであとは尻すぼみだった。なぜ連獅子で頭ぐるぐるさせなかったのだろう。あれは海外ウケ最高だと思うのにな。海老蔵パート短くてすぐに上原のピアノに行ってしまった。上原は鍵盤ボンボン叩いてめっちゃノってるけど観客置いてけぼり感すごい。おそらく国民の感想は「イモトに似てるなー」だったと思う。最後海老蔵が大見栄切って終わり。海老蔵の無駄遣い。もっとやれたはず。
聖火点灯
事前番組では誰が最終聖火ランナーになるか注目です、的な煽りをしていた。そこで櫻井翔が走るんじゃ?的な含みを持たせていて、もしそうなったら本当に嫌だなーと思っていた。で、蓋を開ければ吉田沙保里と柔道の三連覇。あー、なんか別に意外性とか無いのね、と思ったら松井秀樹にバトンタッチ。あ、そういうこと、この競技場内でも火を繋いでいくのね。松井と長嶋監督と王監督、長嶋監督は歩くのもままならず、松井の介助でなんとか一歩一歩進んでいる感じ。こんな状態になってまでまだナガシマ信仰が厚く、担ぎ出さんといけないのかと複雑な気持ち。でも次のランナーに火を渡すとき、長嶋監督はいい笑顔をしていた。その顔を見て、ああ、楽しんでいたんだなと思ってホッとした。医者、パラリンピック選手、福島の子供、と繋いでゴールは大阪なおみ。なんの意外性もない優等生の聖火リレーでこのために4時間引っ張ってきたのかとどっと疲れが出た。
総評
小山田とか小林賢太郎とか、その辺りのサブカル人選からも分かるとおり、とにかくスケールが小さい。こういう国際的な大舞台ではちゃんとした人か規格外の狂ったバカが必要なんだなと思った。ちゃんとした人系は大きな舞台でちゃんと実績を残してきた椎名林檎とかその辺。狂ったバカは山本寛斎とか北野武とか、規格外の発想を出せる人(面白いかは別にして)。今回はサブカル小劇団小箱Eテレ的な箱庭人選で、非常にスケールの小さい、そしてまとまりもない、陰湿で地味な陰キャの開会式だったように思う。コロナで先の見えない中での準備は大変だっと思うが、これほどまでにスケールが小さく、そしてまとまってもいない開会式を4時間見せられ、なんだったんだ?以外の感想がない。花火どんどん上げて太鼓バンバン叩いて、御神輿わっしょいわっしょいして桜吹雪ドカドカ降らせた方がお祭り感あってよかったんじゃないかと思う。中身なんてなくても、祭りが始まったぞ、という一体感が欲しかった。そして、聖火ランナーは松岡修造で締めてほしかった。
ただ、オリンピックは楽しみ!