2020年8月に読んだ本は5冊。
凡例
★☆☆☆☆・・・読まなきゃよかった(時間の無駄)
★★☆☆☆・・・
★★★☆☆・・・読んでよかった
★★★★☆・・・
★★★★★・・・めちゃよかった
メイク・マネー!―私は米国投資銀行のトレーダーだった_末永徹
★★★☆☆
ソロモンブラザーズのトレーダーだった人の回顧録。面白かった。やっぱり外資系証券は規格外だな。著者は東大から新卒でソロモンに入社して、10年働いて隠居の身となっている。33歳で隠居。一体いくら稼いだのだろうか。金にまつわる記述は後半にまとめて書いてあったが、年収は5000万は超えたとさらっと買いてあった。家賃50万円のマンションに住み、車は中古のメルセデス850万円。小腹が空いたら寿司を食い、週末に烏龍茶と服を買いに香港へ。著者は金に執着がないから贅沢をしなければ一生食っていけるぐらいの蓄えはあるらしい。名前でググると今はフィールズの役員をやっているらしい。法務室長という肩書きは意外だが、東大法学部を出て国一も受かった秀才だから、ひょっとしたら隠居中に司法試験ぐらい受かってるんじゃないかな、と思って日弁連のサイトで検索したがヒットしなかった。どうやら弁護士にはなってないらしい。ググってもあまり情報は出てこないが、糸井重里と親交があるらしいことはほぼ日を見るとわかる。松本人志とも対談をしているが、ほぼ空気。
末永氏は現在フィールズの役員だが、フィールズの社外取締役に糸井重里の名がある。なぜパチンコ台メーカーのフィールズの社外取締役に糸井重里なのか?そしてフィールズ創業家の社長である山本英俊氏はほぼ日の社外取締役にして大株主である。この辺りの関係性もよくわからない。20秒ググった情報によると、山本氏は古くは千代の富士のタニマチとして横綱を支援し、相撲に限らずクリエーターの支援もしており、そこで糸井重里のタニマチもしていたんじゃなかろうか。闇がありそう。
★☆☆☆☆
京大の学生から猟師になった人のエッセイ。会社勤めに疲弊していた時期に森での生活に憧れ、林業に従事しつつ山で暮らし、猟なんかもしたいなと思っていた暗黒期に買った本。数年越しにやっと積読解消。京大からなぜ猟師に?と誰もが思う疑問だが、若干の環境的な思想が見られる。人間の経済活動と環境との折り合いを探った結果、猟師になっていく感じ。その辺りの思想は本書には強く現れていないので、あまり抵抗なく読める。ちなみに猟師といっても鉄砲を撃つタイプではなく、ワナを仕掛けるタイプのワナ猟師。ワナ猟師のhow toとしては物足りないが、どういう暮らしをしているのかを覗き見するには良い本。
山の手と下町で格差があるよって話。特に驚きはない。最近はゆるいビジネス本ばっかり読んでいるので、こういう学者が書いた論文チックな文章を読むのがツライ。東北は東京の植民地である、という話は面白かった(この著者のオリジナルではなく引用しているだけだが)。東北は東京で消費する農産物を生産し、東京で生産した製品の消費者になっている、最近では東京で使うための電力を原子力発電で作っているのも東北だ。農家の次男三男を安い労働力として東京に供給し、そうして上京した若者が東京の下町の小規模な工場で労働し根を張る。こうして東北は東京の植民地となっている。最近は下町が都心に近いということもあり、タワーマンションができたりして知識労働者階級が流入している。ただこうした住民は下町ネイティブと交わることがなく、むしろ敵対する。まあ、ありがちだよなーという感じ。
★☆☆☆☆
田園調布とか常盤台とか、東京西郊の高級住宅地の成り立ちを紹介したエッセイ。内容は薄い。ひとつの街についてのソースが同じ本だったり、誰かのブログだったりする。著者の疑問も所々に出てくるが、それを調査して検証するでもなく、何でだろうねー、で終わり。いや、それを調べて新情報を付加してくれないと面白みがないじゃん、と突っ込みたくなる。著者は消費文化研究家なので別に本職じゃなさそうだし、街歩きが趣味のおじさんのブログって感じ。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法_ロルフ・ドベリ
★★★★☆
かなり良かった。より良い人生を送るための思考法という副題にもある通り、こう考えると生きやすくなるよというtipsが52個書かれている。言ってることは具体的で訳も読みやすく簡潔。印象に残っているのは、「先のことなんて事前にどれだけ考えても分からないが、やってみればすぐわかる」、「この世の中で問題なのは情報の過多ではなく意見の過多だ」、「対処よりも予防」といったところ。まあありがちな自己啓発書に書いてありそうな内容だけど、たまにはこういうのもいい。特に、「意見の過多」がグッときた。最近はTwitterのパトロールにかなりの時間を使ってしまっていて、まさにTwitterって意見の過多だよな。よく知らないおじさんやおばさんたちの持論をずーっと眺めているだけで、そのほとんどが自分の生活にとって意味のないものなのにも関わらず、見ないと世の中から置いていかれるような気がして惰性で見続けてしまう罠。みんなは知っているのに自分だけは知らない、というような錯覚に陥り、沼にハマっていく。これはアカンなと思い、Twitterから離れようと決意した。
8月を振り返って
8月はThink Clearlyに影響されてTwitterのアプリを消した。その反動で本を結構読めた。まだ積読はたくさんあるので、9月も引き続き解消に努めたい。