気まぐれにアウディを見に行った。予約もしていかなかったので、適当に展示車両を見れたらいいなぐらいの気持ちで行った。が、初回からテーブル席に案内され、アンケート記入し、ガッツリ営業マンから説明を受ける。
Q3のクーペっぽいタイプが結構かっこいいなと思った。乗った感じは後席の天井がちょっと低くて圧迫感あったけど、妻は別に気にならないってことだったのでこれでもいいか、などと考える。高いけど。
後日、営業マンから手紙が届く。手紙が届いた翌日ぐらいにSMSが届く。試乗どうですか?と。まあ、乗ってみるか、ってことで週末行ってきた。
色々車の説明を受け、試乗。アクセル踏んだ感じが結構重いというか、自分の感覚よりも加速に時間がかかる感じ。まあ、素人だから正直あんまり違いが分からない。ただかっこいいのは分かる。
試乗のあと、見積もりを出してもらった。600万円オーバーか、、、高いなやっぱり。と思っていたら、営業マンが「この空白の行、ここにお値引きが入ります。いくら頑張れば買っていただけますか?」と切り出してきた。いや、まだ車そのものを買うかどうかも決めてないのに、、、いきなり間合いを詰めてきて焦る。
で、ここから怒涛の営業攻勢。対する僕たちは買う決意が定まってない。営業マンの攻勢をグダグダかわしていたら、あれよあれよと値引きがくが大きくなっていった。いや、ほんとに買うかどうかを決めてないんです、そんな下げられても買えないっすよ、、、というこちらの態度に、手練れの営業マンも「こいつ、やるな」とギアが入っちゃってる。いや、マジで買えないっすよ。
本部に掛け合ってきた、希望の車は1台しか在庫がない、杉並店で1人お客さんが順番待ちしている、といった不動産屋顔負けの追い込みに、僕たち素人夫婦は参っちゃって、逆に態度が硬化していった。
タイムラインを支配して、冷静な判断力を鈍らせるこうした手法は、正直好きじゃない。
国産車と頑丈さが違う、家族を守るにはアウディだ、というようなトークがあったが、そっちの方がよっぽど効いた。そのトークを聞いた時は、僕の頭にも家族の顔が浮かび、そうだよな、たった200万ぽっちで命が助かると思えばアウディだよな、とか考えた。この線で攻められたら買ってたかもしれない。
この値段は今日しか出せないです!と鼻息荒くしている営業マンに対し、僕は「今後いろんな車を見て、最終的にアウディに決めるかもしれない。その時は今日のお値引きは適用されないけども、それは勉強代として払うつもりです。ほんとに今日は決められないんです。買うときはxxさん(営業マン)から買います」と伝え、お店を去った。
隣でずっと話を聞いていた妻も、その判断で正しい、と言ってくれたのでよかった。
今はタイミングじゃなかった。でも、いつかはアウディを買おう。そしてその時はもっとマイルドな営業マンから買おう。高額な買い物は自分の意思で決めたいんだよな。それが営業マンの手のひらの上だったとしても、自分で決めたという手触りが欲しい。
腕の立つ営業マンとのバトルを終えて、そんなことを思った秋の午後だった。
「アウディの熾烈な営業攻勢と、本気で買う気がないのにどんどん値引きが上積みされて焦る素人の僕」への1件のフィードバック